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改めて知っておきたい、認知症ってどういう病気?

2019/11/6


高齢者社会となった日本では、認知症はとても身近な病気になりました。

調査では、65歳以上の認知症有病率は15%ほどといわれています。もの忘れが多くなったときには、認知症が始まったかと心配になることもあるかもしれませんね。

この記事では、認知症のタイプや症状、早期発見するための方法などをわかりやすくご紹介します。

認知症の4つのタイプを理解しよう

認知症は、アルツハイマー型認知症・前頭側頭型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症の4つのタイプに分けられます。

アルツハイマー型認知症は認知症の半数ほどを占め、位置を把握するための頭頂葉や記憶を司る海馬などが委縮することが特徴です。アミロイドβタンパクが脳の中に蓄積されていくことで、アルツハイマー型認知症は発症します。脳が委縮することによって、判断力が低下し見当識障害が現れることもあるでしょう。記憶障害から始まり、進行が進むと運動器官にも影響を及ぼします。症状が改善することはなく、アルツハイマー型認知症は放置すると悪化するスピードも早まります。

前頭側頭型認知症は前頭葉や側頭葉に異常が現れ、65歳以下の人が発症しやすいことが特徴です。人格と言語を司る部位がダメージを受けるため、言葉の理解が難しくなり行動や言動に歯止めが利かなくなることもあります。症状によっては軽犯罪を繰り返す人もいるため、注意が必要です。

レビー小体型認知症は、視覚を司る後頭葉と記憶を司る海馬に異常が起こりやすくなります。それによって、初期症状では幻視に悩まされることもあるでしょう。パーキンソン症状と呼ばれる、動きの緩慢さや手の震えなどもレビー小体型認知症の特徴です。睡眠障害や抑うつ傾向などから、うつ病と勘違いされやすい認知症だといえます。

脳血管性認知症では、脳全体にダメージを受ける可能性があります。脳梗塞が原因となり脳血管認知症を発症するケースが多く、大きな部位を損傷すると認知症の症状も重くなりがちです。脳卒中などの再発を予防することで、症状の進行は遅らせることができます。

2025年には高齢者の5人に1人が認知症を発症するといわれているため、予防を心がけることが大切です。裁縫などの手を動かす作業や適度な運動、囲碁やパズル、脳トレなどの知的活動をしたり、規則的な生活をすることで認知症の発症は予防することもできます。

親が遠方で一人暮らしをしているなどの場合には、家へ訪れたときに部屋の整理整頓ができているかが注意すべきポイントです。部屋に閉じこもりがちだったり返答が遅れたりしている場合には、認知症が発症していないかなどをチェックするようにしましょう。

認知症の症状ってどんなもの?

認知症は、中核症状と心理症状に分けられます。

中核症状には、記憶障害・見当識障害・失認・失語・実行機能障害などがあります。記憶障害はアルツハイマー型認知症に顕著にみられ、最近の出来事を忘れやすいことが特徴です。

昔に体験した記憶は覚えていますが、認知症が進行することで次第に昔の記憶も失われていきます。もの忘れでは自身が忘れがちなことを自覚していますが、認知症は最近や過去の記憶を忘れてしまったことを自覚していません。

見当識障害は時間や場所、人物などを思い出せなくなる症状です。見当識障害が進行していくと自身がいる場所がわからなくなったり、家族の顔もわからなくなったりします。

執行機能障害は多くの認知症にみられ、食事の準備などの日常生活を送るための動作が思い出せなくなります。家族などから指示をもらわないと、行動が開始できないケースもあります。

心理症状は、怒りっぽくなる・意欲の低下・幻覚・暴力行為などが特徴的です。心理症状の一種でもある徘徊は、記憶障害などの症状に対して自身で不安を感じることから起こるといわれています。

前頭側頭型認知症では暴言や暴力が顕著にみられるため、介助者にとっては大きなストレスとなる症状だといえるでしょう。食行動異常や性行動異常などは、日常生活が送りづらくなる症状だといえます。食べもの以外のものを口へ運んでしまったり異性をみると性的な言動を行ったりしてしまうことから、介護者も目が離せなくなるケースもあります。

また、認知症のなかでも起こりやすいのが、うつ症状や妄想です。見捨てられ妄想やもの盗られ妄想などが強くなると、精神的に不安定になる場合もあります。うつ症状などから、意欲の低下や悲壮感などに感情が占められてしまうこともあります。引っ越しや入院などの環境の変化からうつ症状などは悪化することもあるため、変わらない環境で落ち着いて過ごせるよう環境調整をしましょう。

認知症を早期発見するために

認知症では、軽度認知障害(MCI)段階での治療が大切になります。しかし、家族が認知症の検査や治療などを促しても、本人は認知症を受け入れられず受診まで至れないこともあります。もの忘れが多くなったと感じたときには、ネットなどにある認知症の簡単なチェックをしてみると良いでしょう。本人がチェック項目を確認することが困難な場合には、家族からみた本人の症状をチェックしてみても良いですね。新たな病院を認知症の検査などで受診するのではなく、かかりつけ医に認知症の簡単な検査をしてもらうと抵抗なく受け入れられるケースもあるでしょう。

そこで問題がある場合には、認知症専門の病院へ紹介してもらうなどの段階を踏むのが自然です。かかりつけ医から紹介状を書いてもらうことで、日常的に使用している薬や身体状況などを伝えてもらうことも可能です。慢性硬膜下血腫による認知症状の場合には、早急に治療をする必要があります。なぜなら、症状が進行してしまってから受診しても、病状が治らないケースもあるためです。保健所でも認知症相談の窓口がある地域もあるため、ヘルパーなどから声掛けしてもらうことで相談に行きやすくなる場合もあります。真剣に話しを切り出すのではなく、気軽に相談に行ってみようと声掛けすると良いでしょう。

早期から認知症の診断がつくことで、認知症のタイプがわかり介護者も対処がしやすくなります。認知症の検査方法は面談を行い、一般的身体検査や認知症検査を行います。その後、脳の萎縮度合いを調べるために、脳のCTやMRIなども撮影することをあらかじめ本人に話しておきましょう。家族は診察や検査がスムーズに進むよう、本人の普段からの気になる症状をメモして準備しておきます。また、認知症の症状の進行を遅らせるためには、積極的に運動することが効果的です。身体に無理のない範囲で、ながら運動などから始めてみましょう。糖尿病などの生活習慣病は、認知症の症状を進行させやすいともいわれています。食生活が乱れている場合には、生活習慣を見直したりすることが大切です。

また、認知機能を向上するためには、人と会話を楽しんだりパズルをしたりすることが良いとされています。治療をする過程では、集中力や記憶力に関係するアセチルコリンを増やす薬を継続して服用することが大切です。服薬は、認知症患者が独居の場合には忘れがちになります。薬を飲み忘れないよう、1週間で飲む薬が振り分けられるケースなどを利用すると良いでしょう。

認知症は早期発見して症状に合わせて対処を

認知症は、本人や家族が症状を受け入れて病院へ受診するまでの間にスムーズにいかないこともあるでしょう。しかし、病状の進行を遅らせるためにも、認知症のタイプに合わせた対処をすることが大切です。アプローチの方法などを変えながら、本人が納得して医療機関を受診できるようにしたいですね。認知症患者の症状や心の変化に寄り添った介護ができるよう、早期に発見することを心がけましょう。

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